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吉富 寛
Isotope News, (786), p.26 - 29, 2023/04
日本原子力研究開発機構放射線標準施設棟(FRS)は、2022年6月に国内初となる放射線測定器のJIS試験所として登録された。放射線の利用が原子力のみならず医療や工業など社会のさまざまな分野で拡大するに伴い、測定すべき放射線のエネルギー範囲も広がり放射線測定器の試験の需要が高まっている。一方で、近年、放射線測定の信頼性の確保がますます重要視されるようになっているが、こうした試験を高い品質で公正に実施し、公的な証明書を発行できる機関が国内にはこれまでになかった。本稿ではこうした背景を踏まえ、FRSにおける放射線測定器のJIS登録試験所を構築するために実施した事項を詳説するとともに、開設したJIS登録試験所の概要を報告する。
吉澤 道夫
放計協ニュース, (29), p.2 - 5, 2002/05
日本原子力研究所・放射線標準施設(FRS)には、熱中性子,速中性子、及び減速中性子の校正場が整備されている。これらの校正場については、昨年(平成13年)4月の放射線防護関係法令の改正により線量換算係数が大きく変更されたことから、基準線量当量率の変更及び見直しを行った。本稿では、上記3種類の中性子校正場について、現在の基準値とそのトレーサビリティの現状及び法令改正に伴う変更点を述べる。また、散乱線の評価をはじめとして、これまで各校正場について行われてきた特性評価結果の概要をまとめた。
吉富 寛; 辻 智也; 深見 智代; 西野 翔; 高峰 潤; 村山 卓; 谷村 嘉彦
no journal, ,
原子力機構放射線標準施設棟(FRS)は、世界でも有数の幅広い線種,エネルギー領域にわたる校正・試験が可能な2次標準機関である。本研究では、FRSで整備されている校正場の現状と、最近の研究開発活動について報告する。光子校正場については、X線発生装置、線源及び加速器を利用して、33keVから7MeVまでの場が利用でき、線については、平均エネルギーで0.06MeVから0.8MeVまでの校正場が利用可能である。中性子については、Cf及びAm-Beを利用した速中性子場、重水及び黒鉛による減速中性子場、熱中性子場、加速器を利用した8keVから19MeVまで10点の単色中性子場が整備されている。FRSでは、これらのうちいくつかの場を利用して、4つのJISに基づくエネルギー特性試験を実施する手順を確立し、品質保証体制を整えることでJNLA制度に基づく放射線測定器のJIS試験所として2022年6月に日本で初めて登録された。その他のトピックスとしては、Ba線源を利用して、これまでになかったIのエネルギー領域(350keV付近)をカバーする線校正場を整備した。さらに、ICRU Report95に基づく新たな実用量に対する校正場の評価を行うことで、新たな実用量に対応した校正・試験が可能な環境を整えた。